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『スピーキング攻略 IELTS英単語』レビュー|単語を覚えるだけじゃない!使える英語を身につける一冊
IELTS Speakingの対策をしていると、
「単語帳で覚えた単語が、実際に話すときには出てこない」
「いつも同じ簡単な単語ばかり使ってしまう」
「難しい単語を使ったほうがスコアは上がるの?」
と悩む方も多いのではないでしょうか。
IELTS Speakingで大切なのは、難しい単語をたくさん知っていることだけではありません。
知っている語彙を、適切な場面で自然に使えること。
そこで今回紹介するのが、『スピーキング攻略 IELTS英単語』です。
この教材を読んで、私が特にいいと思ったのが、単語をただ「覚える」のではなく、「使いこなす」ことに重点を置いているところです。
トピック別の語彙、関連表現、実践的な例文、音声、スピーキング練習まで、すべてが「学んだ単語を実際に使えるようにする」という目的につながっています。
IELTS Speaking対策はもちろん、「英単語は知っているのに、話すときに使えない」という方にもおすすめしたい一冊です。
IELTS Speakingでは「難しい単語」より「使える単語」
IELTS Speakingで高いスコアを取りたいからといって、難しい単語を無理に使えばいいわけではありません。
例えば、覚えたばかりの難しい単語を無理に入れようとして、文脈に合わない使い方になってしまう。
あるいは、非常に難しい単語を使った直後に、極端に幼い表現へ戻ってしまう。
そうすると、語彙のレベルにばらつきが生まれ、かえって不自然な英語になることがあります。
大切なのは、少し洗練された表現を、その場面に合った形で自然に使えることです。
英単語を「知っている」ことと、「使える」ことは同じではありません。
単語帳を見れば意味が分かる。
Readingで出てくれば理解できる。
でも、自分がSpeakingで必要になった瞬間には出てこない。
こうした語彙は、まだ自分の「使える語彙」にはなっていません。
『スピーキング攻略 IELTS英単語』は、この「知っているけれど使えない」から「自分の言葉として使える」への移行を意識して作られているのが大きな特徴です。
トピック別だから「どんな場面で使う単語か」が分かる
この教材では、語彙や表現がトピック別に整理されています。
家族、コミュニケーション、テクノロジーなど、IELTS Speakingで話題になりやすいテーマを中心に学習していきます。
単語をアルファベット順などでバラバラに覚えるのではなく、話題と結びつけながら学べるのがポイントです。
例えば、掲載されている表現には、
- look on the bright side
- make the most of it
- open someone’s eyes to …
- change one’s perspective on …
- play a role in …
- stand out from the crowd
- peer pressure
などがあります。
こうした表現は、単独で日本語訳を覚えるより、
「どんな話題で使えそう?」
「自分ならどんな意見を言うときに使う?」
と考えながら学ぶほうが、Speakingでは使いやすくなります。
語彙マップで表現同士のつながりが見える
この教材で面白いと思ったのが、各分野の語彙や表現を視覚的に整理したマップです。
例えば「家族」というテーマでも、ライフスタイル、交流、性格など、そこからさまざまな方向へ話題を広げられます。
IELTS Speaking、特にPart 3では、一つのテーマについて少し抽象的に考えたり、理由や影響について話したりする必要があります。
そのため、
「この単語を知っている」
だけではなく、
「このテーマなら、こういう方向に話を広げられる」
という感覚を持っていると便利です。
ただし、最初から語彙マップをすべて覚えようとする必要はないと思います。
まずは軽く眺める → 各ページで語彙や例文を学ぶ → 復習するときにもう一度マップへ戻る
この順番で使うと、学習した表現同士のつながりが見えやすくなります。
ひとつの単語から関連語まで広げられる
各単語のページでは、英単語と日本語訳だけでなく、言い換え表現や関連語も確認できます。
例えば、overprotective「過保護な」という単語から、controlling のような関連表現へ語彙を広げることができます。
さらに、アクセントの位置や品詞、overprotection のような派生語も確認できます。
これはSpeakingだけでなく、英語全体の語彙力を高めるうえでも役立ちます。
1語覚えて終わりではなく、その周辺にある語彙まで一緒に広げていく。
この学び方をすると、知っている単語がバラバラに存在するのではなく、少しずつ語彙同士がつながっていきます。
例文が「実際に意見を言う」ことを意識している
私がこの教材で特に評価したいのが、例文です。
例えば、overprotective には、次のような例文があります。
A child with overprotective parents may have a hard time developing independence.
「過保護な親を持つ子どもは、自立心を育むのが難しいかもしれない。」
この例文がいいのは、単に overprotective の使い方を示しているだけではないところです。
例えばIELTS Speaking Part 3で、子育てや子どもの自立について質問されたとき、そのまま議論の材料として使えそうな内容になっています。
さらに、この一文から、
- overprotective parents
- have a hard time doing something
- develop independence
と、複数の表現をまとめて学べます。
つまり、単語を覚える → 文の中で使い方を知る → 自分の意見に応用するという流れを作りやすいのです。
例文は「丸暗記」で終わらせない
もちろん、例文をそのまま覚えることにも意味はあります。
ただ、Speakingで使えるようにするなら、そこで終わらせないことが大切です。
例えば、A child with overprotective parents may have a hard time developing independence. を覚えたら、
「自分はこの意見に賛成?」
「自分の経験ならどう言う?」
「parentsをteachersに変えたら?」
など、少しずつ文章を変えてみます。
教材の英文を再現できることより、その表現を使って自分の考えを言えること。
ここまでできるようになると、単語帳で覚えた語彙がSpeakingでも使いやすくなっていきます。
日本語→英語の音声がスピーキング練習に使いやすい
この教材には音声も用意されています。
特徴的なのが、例文の日本語訳が先に流れ、そのあとに英語が流れる構成です。
例えば、
「兄弟の仲が悪いと親は不安を感じるものです。」
↓
Sibling rivalry often causes parents anxiety.
という順番です。
先に意味を理解したうえで英文を聞けるため、単語だけではなく、意味と英文をセットで結びつけやすいのがメリットです。
さらにおすすめなのが、英語が流れたあとに自分でも声に出してみることです。
聞いて意味が分かるだけでは、Speakingで使えるとは限りません。
実際に口を動かし、聞く → 理解する → 声に出すというところまで行うと、表現をアウトプットする練習にもなります。
ポケットサイズだから通勤・通学にも使いやすい
『スピーキング攻略 IELTS英単語』は、一般的な単語帳に近いポケットサイズです。
前回紹介した『実践IELTS英単語3500』は、机に広げて類義語や例文までじっくり学習するのに向いていました。
一方、こちらは持ち運びやすく、通勤・通学中にも使いやすいタイプです。
電車の中で音声を聞きながら例文を確認する。
英語が流れたら、周囲の迷惑にならない範囲で小さく口を動かしてみる。
自宅に帰ったら、今度は実際に声に出して練習する。
このように、日常の中に取り入れやすい教材だと思います。
おすすめの使い方①|短いサイクルで何度も触れる
ここからは、この教材を「使える語彙」に変えるための学習方法を見ていきましょう。
まず大切なのが、一度で完璧に覚えようとしないことです。
例えば、1週間に50語を学習すると決めたら、その50語と例文に繰り返し触れます。
1日目に50語を完璧に暗記して終わり、ではありません。
同じ範囲に何度も戻りながら、少しずつ定着させていきます。
薄い層を何度も重ねるように覚えていくイメージです。
もちろん、50語という数字にこだわる必要はありません。
自分の学習時間や英語力に合わせて、無理なく繰り返せる量を設定するのがおすすめです。
おすすめの使い方②|曖昧な単語に時間を使う
一通り学習したら、次は記憶が曖昧な語彙を中心に復習します。
すでに分かっている単語を、毎回最初から同じように復習する必要はありません。
「見れば意味は分かるけれど、自分では使えない」
「例文を見れば分かるけれど、自分では文を作れない」
こうした単語を優先します。
Speaking対策では、認識できるかどうかだけでなく、自分から取り出せるかどうかも確認してみてください。
おすすめの使い方③|関連語を使って言い換える
次のステップでは、教材に掲載されている関連語や言い換え表現を使って、例文を変えてみます。
IELTSでは、同じ意味を別の表現で伝える力も重要です。
ただし、類義語だからといって、すべての文章でそのまま入れ替えられるわけではありません。
単語によってニュアンスや自然に使われる文脈が違います。
そのため、「この単語に置き換えられるかな?」と考えながら英文を作り、自然な使い方も一緒に確認するのがおすすめです。
おすすめの使い方④|自分の話に変える
そして、私が特に重要だと思うのがこのステップです。
教材の例文を、自分の経験や意見に合わせて変えてみます。
IELTS Speakingでは、最終的に自分の考えをその場で英語にする必要があります。
教材の例文を完璧に暗記していても、質問が少し変わっただけで使えなくなってしまっては、実践的な語彙になっているとは言えません。
例えば、例文を読んだあとに、
「私はどう思う?」
「自分の家族についてならどう言う?」
「日本についてなら?」
と考えて、実際に英語で答えてみます。
この作業によって、教材の英語が少しずつ自分の英語になっていきます。
「覚える→復習する→言い換える→自分の言葉にする」
この教材の学習方法をまとめると、
① 繰り返し覚える
↓
② 曖昧な語彙を復習する
↓
③ 関連表現を使って言い換える
↓
④ 自分の経験や意見に合わせて使う
という流れになります。
私は、この順番がとてもいいと思います。
単語帳というと、「何語覚えたか」に意識が向きやすいのですが、Speakingでは最終的に、「その単語を使って、自分は何を言えるのか」が重要だからです。
最後はIELTS Speakingの問題でアウトプットする
教材の最後には、IELTS Speakingを想定した練習問題と模範回答も掲載されています。
ここまで学んだ語彙を、実際の回答でどう使うのか確認できます。
おすすめは、いきなり模範回答を読むのではなく、まず自分で答えてみることです。
質問を見る → 自分の言葉で回答する → 模範回答を確認する → 使えそうな語彙や表現を見つける → もう一度、自分の言葉で答える
この流れで練習すると、模範回答を暗記するのではなく、自分の回答を少しずつブラッシュアップできます。
特に試験が近づいてきたら、実際に声に出しながら、学んだ表現をすぐ取り出せるか確認してみましょう。
Band 6を目指す人にもおすすめ
本書ではIELTS Speaking Band 7を目指すためのトレーニングが紹介されていますが、私はBand 6前後を目指している方にも十分使える教材だと思います。
なぜなら、この教材の中心にあるのは、極端に難しい単語を大量に覚えることではないからです。
今持っている語彙を広げながら、適切な単語を、適切な文脈で使えるようにする。
これはBand 6を目指す段階でも大切な力です。
もちろん、英語の基礎文法や基本語彙がまだ十分でない場合は、まずそちらを固める必要があります。
一方、基本的な英文は作れるけれど、
「Speakingになると語彙が単調になる」
「いつも同じ表現になってしまう」
という方には、特に使いやすいと思います。
IELTSを受けない人にも使える
この教材はIELTS対策用ですが、IELTSを受験する予定がない方にも活用できます。
例えば、
- 英語で自分の意見を言うのが苦手
- 単語は知っているのに会話で出てこない
- いつも good、bad、important など同じ単語に頼ってしまう
という方です。
掲載されているテーマや例文は、英語で意見を述べる練習にも使えます。
そのため、IELTS専用の暗記教材というより、少し高度な英語をSpeakingで使えるようにするための教材として考えてもいいと思います。
総評|「単語帳」というよりスピーキング練習ガイド
『スピーキング攻略 IELTS英単語』を読んで、私が最も共感したのは、やはり「単語を覚えるのではなく、使いこなす」という考え方です。
トピック別に整理された語彙。
表現同士のつながりが分かるマップ。
関連語や派生語。
実際のディスカッションにも応用できる例文。
日本語から英語へつなげる音声。
具体的な4ステップの学習方法。
そして、最後のIELTS Speaking練習。
すべてが、学んだ単語を実際に使えるようにするという目的につながっています。
そのため、私はこの教材を単なる単語帳というより、スピーキングの練習ガイドに近い一冊だと感じました。
単語の日本語訳を覚えて終わるのではなく、
知る → 文の中で理解する → 声に出す → 言い換える → 自分の意見に使う
というところまで練習する。
IELTS Speakingでスコアアップを目指している方はもちろん、「知っている英語」を「使える英語」に変えたい方にもおすすめしたい教材です。
